約 3,420,339 件
https://w.atwiki.jp/index-ss/pages/325.html
通学路から一本外れた路地。 とある空きテナントの前で、上条当麻は項垂れていた。 「う、うだー」 その空きテナントにはシャッターが下りており、『短い間でしたがご愛顧ありがとうございました』と言う張り紙が張られていた。 「要するに。当てが外れた。と」 そんな上条の隣で、姫神は言わずもがなの意見を述べる。二人とも未だに『お手て繋いで』状態だ。 はっきり言って、端から見ればカップルである。 「……右手使わなくても食べられる食事法なんて、手掴みしか思いつかねーから、ここに来たのに」 「知っても仕方のないことだけど。ここは何のお店だったの?」 「パン屋」 端的に返ってきた答えに、姫神は眉根を寄せる。と同時に、一つ納得もした。 上条当麻にとって今の状況と言うのは、別に気取ったりしなければならない状態と言う訳ではないようだ。 そこまで考えて、知らず浮かれていた自分に気付く。 「?どうした姫神。急に頭を振ったりなんかして」 「なんでもない」 少し自重しよう。今のこの状態は緊急措置。彼はなんとも思ってない。 「ところで。当てが外れた所で。次の候補とかは決まっているの?」 「あー、いや、これといって」 まいったなぁ、とばかりに頭を掻く上条。 「なら。あそこのファミレスで良いのでは?」 と言って姫神は、右手の角にある看板を指差す。その看板自体はそんなに珍しいものではない。学園都市内だけでも複数の店舗を出している良くあるファミレスの看板だ。 「どう?」 首を傾げて、問う。その問に上条は、 「……なぜか、あそこには行ってはいけないという警告文が脳内に流れてるんだけど」 と、訳のわからない事を言い出す。 「?もしかして。問題を起こした事があって。入りづらいとか」 「いや、それはうちの近所のファミレスだし」 否定しないのか。 「しかも俺が起こした問題じゃないし……」 聞かれもしてない事まで答えている。 「なら。何も問題はないのでは?」 その姫神の言葉を否定する材料は、上条にはない。 「うーん、まぁ探すのも面倒だし、そこでいいか?」 「私は。別に」 これで目的地は決まった。 ちなみに看板には『右折5km』とある。 上条はまだ気付いていない。 「初志貫徹って大事だよな」 「大袈裟だね。君」 夏は過ぎたと言っても、まだ9月も始まったばかり。昼下がりの日差しは、やはり鋭い。 途中でへこたれそうになりながらも(上条が、であるが)、二人は目的のファミレスに辿り着いた。 外から見た限りでは、結構混んでいるように見受けられる。 「こりゃ、待つかもな」 「大丈夫かも。ほら。誰も待ってない」 と言って姫神が指差したのは、レジ前にある待合スペース。確かに誰もいない。これなら待つことになっても然程時間は掛かるまい。 「いらっしゃいませー。二名様で御座いますかー?」 入ってきた学生カップルに笑顔で応対するウェイトレス。この程度で目くじらを立てていては客商売は成り立たない。 「こちらへどうぞー」 二人が案内されたのは、窓際の四人がけのテーブルだった。 普通に向かい合って座ろうとした上条の右手を、姫神は引いた。 「君。この手をテーブルの上に出して座るの?」 言われて、その映像を思い浮かべる。 ――向かい合って座る二人。テーブルの上に出された二人の手は、固く結ばれている。 頭を振って、その映像を散らす。 「分かった。隣り合って座ろう」 それはそれで意味深な映像なのだが。 まぁ背に腹は代えられないだろう。 「ご注文はお決まりですか?」 先程のウェイトレスが注文を取りにきた。一瞬顔が引きつったように見えたのは、多分気のせいだ。 「BLTサンドとコーヒー。あとウィンナー盛り合わせ」 「ゴーヤとエスカルゴの地獄ラザニア。あと。ドリンクバー」 姫神の頼んだ注文に既視感を覚える。 まぁ気のせいだろう。 何せ、上条当麻は記憶喪失なのだから。 ウェイトレスが下がった後、すく、と姫神が立ち上がった。 「?どした、姫神」 「ドリンクバー。取りに行かないと」 言われて、上条は、 「あぁそうか、って」 立ち上がりかけて、難色を示す。この混雑した店内を二人揃って歩くのは、どこか気恥ずかしいものがある。 「大丈夫。堂々としてれば誰も気にもとめない」 言外に、さぁ早く早くと急かす姫神。こう言われれば、上条としても従わざるを得ない。ここでごねたら、まるで。 (まるで俺だけが意識してるみたいだしな) 「分かったよ。それだったら俺もドリンクバーにしておけば良かったな」 「どのみち。コーヒーのおかわりはセルフサービス」 「……それもそうだ」 二人して席を立ち、ドリンクバーへ。 そこで。 「お?」 「あらあらあら」 「あーっ!」 「?」 どこかで見た顔二つと遭遇した。
https://w.atwiki.jp/index-ss/pages/1003.html
「ミサカ、巫女と美琴(12)」 「ちょっと!これ、どういうこと!?」 第13学区のとある小学校に到着するなり御坂美琴は絶叫していた。 このとある小学校は生徒数が4000人を超す超マンモス校である。 当然、運動場や体育館などの設備も巨大なものであった。 「だからって、なんでヒヨコ小屋が東○ドームほどデカイのよーっ!!」 雄叫びをあげる御坂美琴の肩を姫神秋沙が指でチョンチョンとつつき一枚の印刷物を差し出した。 「多分。これが理由」 そこには「第15回全校一斉ヒヨコ飼育コンテスト実施要領」と書かれてあった。 実施要領には生徒一人の持ちヒヨコは3羽までといったルールが書かれてある。 どうやら、少なくとも10000羽を越えるヒヨコ達がこの中で飼育されているようだ。 実施要領を読み終えた御坂美琴はそれを両手でクシャクシャに丸めると地面に叩きつけた。 「いったい、どこのどいつよ。こんな馬鹿げた企画を考えたヤツはーーーーっ!」 フーッフーッと肩で二度大きく息をするとようやく御坂美琴は落ち着きを取り戻した。 「しっかし、10000羽の中からあのヒヨコ爆弾ってヤツを見つけなきゃなんないの? こりゃ、ちょっと手こずるかもしんないわね」 「まあ、とりあえず中に入ってみないとな。御坂、できるか?」 「アンタ!誰に向かって言ってんのよ!」 電撃使い(エレクトロマスター)の御坂美琴の前には小学校の電子錠など無いに等しい。 あっさりと4人はヒヨコ小屋(ただし○京ドームサイズ)に突入する。 いくつかのドアを抜けると目の前に広い空間が現れた。 室内でありながらそこはまるで牧場のようであり、小山や人工の小川まで造られてあった。 大きな木も数本植えられていたが地面は基本的には芝生のような背の低い草で覆われていた。 その緑の絨毯の上を無数の黄色い物体が動き回っている。 「全く、こんな大それた施設まで造るなんて、なに資源の無駄遣いしているのかしら。 たかがヒヨコのために…………………… ヒヨコなんてこんなにちっちゃいのに…… いくらキュートなお目々をしてるからってヒヨコのためだけにこんな施設を造るなんて ………………………………………… もーーっ、なんて素敵なのかしら!!」 感動に震える御坂美琴のスーツは既にステルスモードに切り替わっており、 御坂美琴が動物に避けられる最大の原因である電磁波を遮断してくれている。 そのためここにいるヒヨコ達は御坂美琴や御坂妹から逃げようともしない。 それどころか御坂美琴の足下に寄ってきては靴の先をツンツンとつついたりする。 その姿を目の当たりした御坂美琴は悲鳴を上げた。 「キャー!なんてラブリーなの。あなた達!! まんまるでフカフカでピヨピヨでよちよちでーーーーっ!」 目をキラキラ輝かせる御坂美琴は一羽のヒヨコを両手で優しく包み込むと顔の高さまで 持ち上げてスリスリと頬ずりしだした。 しかもそのヒヨコを持ったまま「キャーーッ!そっちの子もこの子以上に超ラブリー!」 などとのたまっている。 ヒヨコ小屋に突入してから30秒も経っていないのに、ここに来た目的はすっかり忘れている様子だった。 「あれもヒヨコ、これもヒヨコ、ミサカの目に映る黄色い個体全てがヒヨコ…… ミサカの理想郷はこんな所に在ったのですね、とミサカは感嘆の声を上げます」 さすがに遺伝子レベルでそっくりなだけあって御坂妹も御坂美琴とおなじ反応をしている。 「あーっ、お姉様!その子は私がホッペでスリスリしようと心に決めていたヒヨコです とミサカはミサカのヒヨコを今まさに横取りしようとするお姉様に警告を発します」 「何言ってんの。この子は私と目があったときに私に大好き光線を送ってきたのよ。 だからこの子は私に頬ずりして欲しいに決まってるの! アンタは足下のその子で良いじゃない」 「確かにこの子のつぶらな瞳は超キュートなのですが頭に1枚ある逆立った羽毛がなぜか 某上位個体を連想させます、とミサカはやっぱりそっちの子が良いなと未練たっぷりに お姉様にヒヨコの交換を持ちかけます」 上条は御坂美琴と御坂妹のはしゃぎっぷりをただ唖然と見ている。 そんな上条の袖を姫神秋沙が引っ張った。 「ミサカ、巫女と美琴(13)」 「上条君。爆弾はどうしよう?」 「まあ、まだ時間は十分にあるから焦らなくても良いけどさ。 ところで姫神はこれだけのヒヨコを見て何か思うことはないのか?」 「……ヒヨコ……それはキジ目、キジ科、ニワトリの雛。 雌であれば採卵用レイヤーとなる。でも雄だと食肉用ブロイラーに。 そしてこの子達もほとんどが雄。……哀れ……合掌」 「こらこら、姫神。ヒヨコ達に手を合わせるんじゃない」 「(しまった。いつもの癖で……)ゴメン。 それでどうしよう?このままだとあの二人は使えない」 「まあ少しぐらいは好きにさせてやろう」 そういって上条は芝生に腰を降ろした。 上条がヒヨコ達と戯れる御坂姉妹を眺めていると右隣に姫神秋沙がちょこんと座った。 上条は気付かなかったが姫神秋沙は時々上条をチラっと見ては膝の上に置いた両手を モジモジさせていた。 (御坂さんも妹さんもヒヨコに夢中。 邪魔者のいない今こそ上条君との距離を縮める絶好のチャンス! そのためにもまず適度なスキンシップを増やさないと…… さりげない仕草で上条君の右手に私の左手を重ねるの! でも、あからさまなのはダメ!上条君が引いちゃうから。 そう。上条君に話しかけようとして身体をひねったらたまたま左手が重なっちゃうっていうのが理想) 頭の中で何度もシミュレーションを繰り返した末、ようやく姫神秋沙は決心した。 (スーッ、ハーッ。よし。行くわよ!秋沙。 さん…… にー…… いち……) 「で、姫神は本当にヒヨコに興味ないのか?」 「ゼロッ………… って、何?どうしたの?上条君」 「そうか、興味ゼロなのか。 女の子ならみんな可愛いものが好きなのかと思ったけど。 まあ、御坂達のはしゃぎっぷりが異常なのかもな」 「そっ、そんなこと無い。私も大好き。 淡白な白身はタンパク質が豊富だし、しかも安いからお買い得!」 「いや食材として感想じゃなくてさ、……っていうかその方が姫神らしいのかな」 「えっ、あっ、そうじゃなくて(わーっ、バカバカ。私の馬鹿!)」 最悪のタイミングで上条に先手を取られた姫神秋沙は妙にテンパっていた。 (おっ、落ち着くのよ。秋沙 さっきはちょっと失敗しちゃったけどチャンスはまだある。 ちょっと早いけど次はお弁当作戦よ!) 「上条君。今日おにぎりを作ってきたの。ちょっと早いけど二人を待っている間に食べてみる?」 「でも、それ姫神の弁当なんだろ?」 「今日はたくさん作ってきたから。大丈夫!」 姫神が巫女装束の袂から取り出したのは竹皮を紐でくくったお弁当で中にはおにぎりと タクアンが入っていた。 「すげーな、姫神。こりゃ美味そうだ」 「(よしっ!作戦成功!そしてここで飛び切りの笑顔でだめ押しするの。秋沙!) 上条君。いっぱい食べて」 「じゃあ、お言葉に甘えて」 「あっ、ちょっと待って!上条君の手に土が付いてる。 だから私が食べさせてあげる。はい!アーン」 「ちょっと待て、姫神。いくら何でもそんな恥ずかしい真似は……」 「良いから良いから。(御坂さん達がこっちに気付く前に)早く!アーン」 仕方なく上条は言われるままに口を開け差し出されたおにぎりをモグモグと食べてみた。 「どう?美味しい?」 「美味い!ただのおにぎりがこんなに美味いのはやっぱり姫神が料理上手だからかな?」 「うふっ、褒めてくれたのなら嬉しい。はい!残りも食べて」 「おっ、サンキューッ」 上条は次のおにぎりを姫神に口に運んで貰いそれを美味しそうに食べている。 一方、その横で姫神秋沙は自分の指先を見つめたまま固まってしまった。 先ほど上条がおにぎりを頬張ったとき姫神の人指し指に上条の唇が当たったのだ。 しかもその指には上条に食べさせたおにぎりのご飯粒がくっついていた。 (さっき上条君の唇が私の人指し指に当たったは確か。 そして何故か指にはご飯粒がくっついている。 ご飯粒が指にくっついたままじゃ困る。 でも捨てる訳にもいかないから私が食べるしかない。 そう。決して私は上条君と間接キスをしようとしている訳じゃない。 仕方なくこのご飯粒を食べるだけ。 例え人指し指を口にくわえるのがはしたないって言われてもご飯粒がついているからいけないの。 例えそれが上条君との間接キスだとしても…… そう……間接キス…………どっ、どうしよう?) 指先を見つめること17秒、決心した姫神秋沙が震える指先を口にくわえようとした瞬間 「「あーーーっ!」」 御坂姉妹の叫び声がヒヨコ小屋の中に響き渡った。
https://w.atwiki.jp/index-ss/pages/1339.html
ねえ、あんたの言ってる「幸せな世界」って何よ。 自分が傷ついても、他が無事ならそれでいいの? ……ふざけないでよ。 私のキモチを踏みにじっといてそれはないでしょうがっ 私は、アンタをこんな風にしたあのピアス野郎を許さない。 私の初恋を返せ アンタを想い続けてた、時間を返せ 上条当麻を、私に返せ 少女の神に願う時、一人の高校生が現れる。 「い、いったいどうなっているんだ?」 少年の手術を担当していた冥土帰しが首を横に振る。 それは、もう無理だという、単純かつ分かりやすいサインだった。 まず、銀髪碧眼の少女が泣き崩れる。 次に、赤い髪の少年が天を仰ぐ。 金髪アロハの少年はその場を立ち去り、 吸血殺しはその場に倒れこむ。 少年に救われた者たち、元ローマ正教のシスター4人や、 とある日に、少年と出会ったことのあるロシア成教のシスターも、 何かしらで顔を拭っていた。 そんな中、常盤台中学のエース、超能力者の御坂美琴だけは、 動くこともできずに、ただ、茫然と立ちすくんでいた。 (嘘よね。う、嘘なのよね?) 「お姉さま……」 状態を把握し、現実を受け入れた者から、その場を立ち去って行った。 まずは、赤髪の神父が立ち去る。その眼に見えたのは、涙。 次に、五人のシスターたち。三人は涙で前が見えないようで、水着のような服を着たシスターと一番身長のあるシスターが他を支えながら出ていった。 吸血殺しと銀髪碧眼の少女は、身長の低い教師に引き取られていった。 そんな中、御坂美琴を迎えに来た白井黒子は、涙で頬を濡らす美琴の姿を見てしまった。 その表情は、あの少年以外には見せたことのないものだった。 (よほど、あの殿方の死がショックだったのでしょうね) 白井黒子は考えた。 美琴との(行き過ぎた)スキンシップの時に、一番目障りだった少年が消えたのに、何故こんなに釈然としないのか。 美琴の悲しげな表情を見たからだろうか。 いや、違う。今までの白井なら、「代わりにわたくしが」などと言って美琴とのスキンシップを取りに行っていただろう。 それなのに、この感情は何なのか。白井にはわからなかった。 その場に居合わせた佐天涙子は白井以上に驚愕していた。 美琴が涙を流している。 それは、佐天があこがれる美琴のイメージとかけ離れていた。 どんなにつらいことがあっても、美琴はその場では泣かないと思っていた。 裏では涙を流しているかもしれないが、表には絶対に出さないと思っていた。 というか、それ以上に、美琴の想い人らしき少年の姿を見て、佐天は驚いていた。 (と、当麻さん?) 佐天が驚いたのにはわけがあった。 同じ無能力者同士、その少年と佐天との間にはいろいろと交友関係があったのだ。 それが、友人関係であろうと。それ以上の恋人関係であろうと。 最近、佐天はその少年と連絡が取れないことに、不信感を抱いていた。 それが、美琴と一緒に居たからだと考えると、自然と胸が苦しくなった。 (今の私に、御坂さんに合わせる顔は、ない) 佐天涙子は走りだす。 ここが病院だということも忘れて。
https://w.atwiki.jp/frontmission3/pages/1268.html
STAGE00 アリサ編 STAGE01 STAGE02 STAGE03 STAGE04 STAGE05 STAGE06 STAGE07 STAGE08 STAGE09 STAGE10A STAGE11 STAGE12 STAGE13 STAGE14 STAGE15 STAGE10B STAGE16 STAGE17 STAGE18 STAGE19 STAGE20 STAGE21 STAGE22 STAGE23 STAGE24 STAGE25 STAGE26 STAGE27 STAGE28 STAGE29 STAGE30 STAGE31 STAGE32 STAGE33 STAGE34 STAGE35 STAGE36 STAGE37 STAGE38 STAGE39 STAGE40 STAGE41 STAGE42A STAGE43 STAGE44 STAGE45 STAGE42B STAGE46 STAGE47 STAGE48 STAGE49 STAGE50 STAGE51 STAGE52 STAGE53 STAGE54 STAGE55 STAGE56 STAGE57 STAGE58 Ending ストーリーイベントインターミッション STAGE42Aランキング マップ 入手アイテム 味方 敵 ストーリーイベント インターミッション セットアップ ネットワーク フォーラム メール ネットワークショップ デスクトップ シミュレーター セーブ ロード 終了 STAGE42A 上へ STAGE42A 名古屋下水処理場 勝利条件 敵パイロットの全滅もしくは投降 敗北条件 プレイヤーパイロットの全滅 出撃パイロット選択 和輝 / 亮五 / アリサ / リュウ / 美穂 / ファム / ラン / メイヤー ランキング 基準値 敵排除数 8 総戦闘回数 35 平均ダメージ 115 平均武器レベル 14 ターン数 12 NPC残数 - マップ 地形 進入不可 段差 スロープ 平地 X 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 Y 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 気絶不可 - 混乱不可 - 戦意喪失、投降不可 - 強制排出不可 - 序盤、敵ユニット(敵6)は、味方ユニットが接近するまで行動しない 序盤、敵ユニット(敵3 / 4)は移動後、味方ユニットが接近するまで行動しない 上へ 入手アイテム 入手先 名称 備考 敵1 / 2 / 3投降 ボディ 111式 春陽 Lアーム 111式 春陽 Rアーム 111式 春陽 レッグ 111式 春陽 敵5 / 6投降 バックパック BX056 上へ 味方 No. 名前 移動力 バーツ 武器 人物 アイテム APNow / Max Body HP状況Now / Max 格闘力 減少率 AP設定/改造LV 防御 L.Grip 属性 種類 AP 熟練 攻撃 弾数Now / Max 射程 命中率 距離低下率 段差低下率 HPNow / Max エースランク ポイント バトルスキル L.Arm 命中 命中 L.Shld 武器熟練度 回避(回避率) R.Arm 命中 R.Grip 格闘武器 ショットガン グレネード Leg バーニア ダッシュ 回避 R.Shld マシンガン 火炎放射 キャノン 属性防御 B.Pack 追加出力 ライフル ミサイル ビーム 1 × 2 × 3 × 4 × 上へ 敵 No. 名前 移動力 バーツ 武器 人物 アイテム PRIZEMONEY APNow / Max Body HP状況Now / Max 格闘力 減少率 AP設定/改造LV 防御 L.Grip 属性 種類 AP 熟練 攻撃 弾数Now / Max 射程 命中率 距離低下率 段差低下率 HPNow / Max エースランク ポイント バトルスキル L.Arm 命中 命中 L.Shld 武器熟練度 回避(回避率) R.Arm 命中 R.Grip 格闘武器 ショットガン グレネード Leg バーニア ダッシュ 回避 R.Shld マシンガン 火炎放射 キャノン 属性防御 B.Pack 追加出力 ライフル ミサイル ビーム 1 日防軍特殊部隊ヴァンツァー兵 3 111式 春陽 579 / 579 113% 15% ■ ■ ■ 日西90MF 貫通 マシンガン 5 D★★ 18×10 ∞ 1~4 80% 10% 5% 20 / 20 ★★★★★★ ×0 リベンジⅡ 150 17 / 17 111式 春陽 295 / 295 ×14%UP ■ ■ ■■ ■ ■ ------ 32% 111式 春陽 295 / 295 ×14%UP ハードブロウ 衝撃 格闘武器 1 D★★ 25×1 ∞ 1 100% 0% 0% D★★ 耐炎熱 111式 春陽 440 / 440 6段 3倍 ■ ■ ■ ------ D★★ ------ 2 日防軍特殊部隊ヴァンツァー兵 3 111式 春陽 579 / 579 113% 15% ■ ■ ■ 日西90MF 貫通 マシンガン 5 D★★ 18×10 ∞ 1~4 80% 10% 5% 20 / 20 ★★★★★★ ×0 リベンジⅡ 150 17 / 17 111式 春陽 295 / 295 ×14%UP ■ ■ ■■ ■ ■ ------ 32% 111式 春陽 295 / 295 ×14%UP ハードブロウ 衝撃 格闘武器 1 D★★ 25×1 ∞ 1 100% 0% 0% D★★ 耐炎熱 111式 春陽 440 / 440 6段 3倍 ■ ■ ■ ------ D★★ ------ 3 日防軍特殊部隊ヴァンツァー兵 3 111式 春陽 579 / 579 113% 15% ■ ■ ■ 日西90MF 貫通 マシンガン 5 D★★ 18×10 ∞ 1~4 80% 10% 5% 20 / 20 ★★★★★★ ×0 リベンジⅡ 150 17 / 17 111式 春陽 295 / 295 ×14%UP ■ ■ ■■ ■ ■ ------ 32% 111式 春陽 295 / 295 ×14%UP ハードブロウ 衝撃 格闘武器 1 D★★ 25×1 ∞ 1 100% 0% 0% D★★ 耐炎熱 111式 春陽 440 / 440 6段 3倍 ■ ■ ■ ------ D★★ ------ 4 日防軍特殊部隊ヴァンツァー兵 6 キャセルM2 895 / 895 125% 30% ■ ■ ■ ハイバスター 衝撃 格闘武器 1 D★★ 130×1 ∞ 1 100% 0% 0% 20 / 20 ★★★★★★ ×0 150 17 / 17 キャセルM2 502 / 502 ×5%UP ■ ■ ■■ ■ ■ ------ 32% キャセルM2 502 / 502 ×5%UP ハードブロウ 衝撃 格闘武器 1 D★★ 25×1 ∞ 1 100% 0% 0% D★★ 耐貫通 キャセルM2 660 / 660 6段 3倍 ■ ■ ■ ------ ------ 5 日防軍特殊部隊ヴァンツァー兵 2 109式 炎陽 502 / 502 115% 15% ■ ■ ■ ハードブロウ 衝撃 格闘武器 1 D★★ 25×1 ∞ 1 100% 0% 0% 20 / 20 ★★★★★★ ×0 ミサイル弾 150 17 / 17 109式 炎陽 316 / 316 ×12%UP ■ ■ ■■ ■ ■ ナイチンゲール 炎熱 ミサイル 10 D★★ 124×1 6 / 6 3~9 80% 0% 0% 32% 109式 炎陽 316 / 316 ×12%UP ハードブロウ 衝撃 格闘武器 1 D★★ 25×1 ∞ 1 100% 0% 0% D★★ 耐衝撃 109式 炎陽 463 / 463 7段 4倍 ■ ■ ■ ------ BX056 D★★ 6 日防軍特殊部隊ヴァンツァー兵 2 109式 炎陽 502 / 502 115% 15% ■ ■ ■ ハードブロウ 衝撃 格闘武器 1 D★★ 25×1 ∞ 1 100% 0% 0% 20 / 20 ★★★★★★ ×0 ミサイル弾 150 17 / 17 109式 炎陽 316 / 316 ×12%UP ■ ■ ■■ ■ ■ ナイチンゲール 炎熱 ミサイル 10 D★★ 124×1 6 / 6 3~9 80% 0% 0% 32% 109式 炎陽 316 / 316 ×12%UP ハードブロウ 衝撃 格闘武器 1 D★★ 25×1 ∞ 1 100% 0% 0% D★★ 耐衝撃 109式 炎陽 463 / 463 7段 4倍 ■ ■ ■ ------ BX056 D★★ No. 名前 移動力 バーツ 武器 人物 アイテム PRIZEMONEY APNow / Max Body HP状況Now / Max 格闘力 減少率 AP設定/改造LV 防御 Hand 属性 種類 AP 熟練 攻撃 弾数Now / Max 射程 命中率 距離低下率 段差低下率 HPNow / Max エースランク ポイント バトルスキル L.Arm 命中 命中 武器熟練度 回避(回避率) R.Arm 命中 格闘武器 ショットガン グレネード Leg バーニア ダッシュ 回避 マシンガン 火炎放射 キャノン 属性防御 B.Pack 追加出力 ライフル ミサイル ビーム 7 日防軍特殊部隊ヴァンツァー兵 2 ------ ハンドガン 貫通 ハンドガン 2 9×1 ∞ 1~2 90% 0% 0% 20 / 20 ★★★★★★ ×0 0 26 / 26 ------ 不能 ------ -- ------ ------ 8 日防軍特殊部隊ヴァンツァー兵 2 ------ ハンドガン 貫通 ハンドガン 2 9×1 ∞ 1~2 90% 0% 0% 20 / 20 ★★★★★★ ×0 0 26 / 26 ------ 不能 ------ -- ------ ------ 上へ
https://w.atwiki.jp/kinsho_second/pages/2541.html
前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある不幸なHappy days Running the way 第三章 Running the way 透き通るような青い空。 見渡す限りの草原。 少女の右手を少年は左手で握りしめる。 二人は地平線に向かって走っていた 全力で。 「はぁ、はぁ、ちょろっとー。聞きたいんだけどー」 ダーリン大好きだっちゃ、 を地で行くビリビリ美少女である。 名を御坂美琴といった。 「はぁ、はぁ、なんだ? 美琴」 彼の名は上条当麻。 上条当麻は世界中の誰よりも御坂美琴を愛しています、 と野球してないのに言える生粋の主人公である。 「私たちデートしようとしてたのよね?」 「そうだぞ、珍しくオレから誘って、お前めちゃくちゃ喜んでたじゃん」 「///////――そ、それであんたの財布が」 「自販機前で猫にひったくられました、はぁ」 「それを裏路地で見つけて」 「そしたら、たまたま近くで」 「原石の女の子が車に連れ込まれる現場で」 「そうそう」 「その子は巨乳で」 「……関係ないだろ、それ」 その時、二人の後方から電撃が襲いかかる。 しかし、急に上に軌道を変え飛んで行った。 美琴の能力だろうか。 「それを追いかけて」 「浜面たちがいて助かったよな」 「増援も軽くやっつけて」 「麦野さん怖かったな」 「……ラッキースケベが発動して」 「わざとじゃないんです、ごめんなさい」 今度は氷の塊が飛んできた。 しかし、上条がいとも簡単に打ち消す。 「空港に着いたのよね」 「空に逃げるなんてなー」 「連中の飛行機に忍び込んで」 「一方通行達の陽動のおかげだよな」 「ふんっ、まあ、それでも出発しちゃって」 「でも、あの子は助けられたな」 「ステイルさんやインデックス達のおかげね、その後に親玉が出てきて」 「強かったよな」 「でもやっつけて」 「あいつもきっとやり直せるさ」 お次は炎の柱だが、砂鉄の壁が阻む。 「そしたら、飛行機が落ち始めて」 「怖かった」 「不時着させて」 「よく出来たよな、流石美琴たん」 「一度見ればわかるでしょ? アンタも一緒にハワイで見たじゃん。あとたん言うな」 後方から虹色の光線、上空から真っ黒な物質が襲いかかってくる。 だがいつものように、右手で後ろの光線の向きを変え、上空の物質と相殺する。 「そんな……まあ、不時着したら、なんかの儀式場を壊してたんだよな」 「そうそう、今追いかけてきてるやつらが、女の子を生贄にささげてどーたらこーたらだったわよね」 「まあ、結果オーライ」 「巨乳の……」 「だから、関係ないでしょ、それ」 「でさぁ」 「ん?」 「デートは?」 「……きっと上条さんとだと、これがデフォです」 「……不幸ね」 「あー美琴、約束を……って今だ!! 美琴!!」 二人は後ろを振り返る。 目の前の紫色の何かを上条が打ち消した瞬間、 美琴の電撃が敵の意識をなぎ払う。一瞬で全滅だった。 が、敵の魔術師たちも意地があるようで、 倒れる前に全員で、なんかわけのわからない巨大な力の塊を放ってきた。 上条と美琴は見つめ合う。 次の瞬間には全力で走り始めた。 「なんで!? どうして!? もう不幸よ~!!」 「オレはそうでもないぞ」 「ふぇ!!? デートが潰れたのよ??」 「それはそうだけど、隣に、美琴がいる!!」 「ふにゃっ……」 「オレに足りないところを、美琴が修正してくれる。 そうすれば、オレたちの距離はもっと近くなれる!! 二人で一緒に成長していける!!!」 「……ぅぅ……」 「それに約束だぞ、『不幸』の代わりに違う言葉をってなっただろ?」 「……ぇぅ……ぁぅ」 「オレも叫ぶから」 「……わかったわよ!! 叫ぶわよ!! やったるわよ!!」 その瞬間二人は走り幅跳びの要領で跳躍する。 被害がギリギリ届かないところに魔力の塊が落ち、大爆発が起こった。 それを背景に、爆音にも負けない声量で二人は叫ぶ。 「美琴!!」 「当麻!!」 「「大好きだー!!!!!!」」 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある不幸なHappy days
https://w.atwiki.jp/index-ss/pages/378.html
とある神々の暇潰遊戯(ショートコント) 「はあーー。」 上条当麻はいつものようにため息をつきながら道を歩いていた。 彼はいつものように数々の不幸にあい、疲れきった体で帰路についていた。 「なんか、いいことねーかなー・・・」 そんなことは起こらないと思いながら、わずかな期待を込めつぶやいてみる。 幸せなことなんか起こるわけないのに・・・・。 「!」 気づくと、当麻のとなりには見慣れない人影がたっていた。 その人は上半身裸で、下はタイツ。頭にはイバラのようなものをまいていた。 明らかに、変質者だ。当麻はこんなのに関わりたくないと思いながらも、 12月に上半身裸の人を放っておく分けにもいかないので、おそるおそる声を掛けてみる。 「あのー。上なんか着ないとかぜひきますよ?」 すると、 「私は神だ。」 その変質者は、意味不明のこと言い出した。 この時、当麻は激しい後悔に襲われていた。 (あちゃー、イっちゃってるよこの人。やっぱ声かけんじゃなかったぁぁぁ!チクショォォ!) 一刻も早くこの場を立ち去りたい当麻は、 「ほれ、これ着てろ。これで寒さはある程度しのげるだろ?」 そういって自分のコートをその変質者に突き出した。 「お前に力を与えよう。」 その変質者は当麻の行為を無視して自分の言葉を続ける。 (なんだよ、コイツ!?人の厚意を無視ですか!?もういいや、コイツはほっとこう ジャッジメントにどうせ保護されるだろうし。) そう思い、当麻はその場を立ち去ろうとする。その次の瞬間。 「えーkすうぇうhfqhqけfくぉおk」 変質者がわけのわからないことをつぶやきだす。 その姿に、当麻は呆れるのを通り越し感動さえ感じてしまった。 そして、変質者をボーっと眺める当麻に黒い影が近づく。 「!」 その黒い影はボーっとしていた当麻のカバンを奪い去っていく。 「へっへっへ。カバンはいただきだぜ。」 その影が走り去りながら。素敵な捨て台詞を残していく。 「あぁぁぁ!もう!不幸だぁぁぁ!」 当麻はこんな変質者に目を奪われて、そのスキにひったくりにあった自分を自己嫌悪しながら叫ぶ。 すると、 「人の持ち物を奪うとは最低な奴だ。天罰を下す。えkkljdjkjfajすつkj」 さきの変質者が再び呪文のようなものをつぶやきだす。 (チクショー!こんなんに関わるんじゃなかった!) その変質者の姿をみた当麻は後悔しながら引ったくりの後を追う。 だが、次の瞬間引ったくりを追いかける必要が無くなった。 「うぅぅ!ぐほォォ!」 引ったくりが地面に突っ伏し苦しみもがいていたからだ。 (ま、まさかあんな呪文が利いてんじゃねーよな?) 当麻は半信半疑で引ったくりに近づく。 「おーい、大丈夫か?」 そう声を掛けてやると同時に、引ったくりが立ち上がり着ていた服を破り始める。 すると、引ったくりは上半身裸で下はタイツ。頭にはあの葬式で付ける白いヤツを頭につけた、 変質者と似たようないでたちになる。 そして 「私だ。」 引ったくりは、少し離れたところにいた先の変質者に呼びかける。 「お前だったのか。」 変質者が返事をする。 さらに引ったくりが 「また騙されたな。」 と言いながらわずかにほほ笑む。 「全く気づかなかったぞ」 悔しそうに、変質者が返事をする。 そして二人は、ハテナマークが頭を埋め尽くしている当麻に言い放つ。 「暇を持て余した。」 「神々の」 「「遊び。」」 そして、神と名乗る二人は満足げに天上に上っていく。 「なんなんですかこの茶番は!?」 「あぁぁぁ!もう!不幸だぁぁぁ!」 上条当麻の不幸は続く。 終
https://w.atwiki.jp/index-ss/pages/400.html
「とある少女の幸せ計画(ハピネスプラン)その1」 7月30日13:30 セブンスミスト水着売り場 「うーいーはーるぅぅぅぅ!こっち、こっち!」 「なんですか?佐天さん!」 「どうこれ!初春にピッタリだよ!白井さんも真っ青な三角ビキニィィィィ!」 「なっ!無理です!無理。そんなの私が着れる訳ないじゃないですか!」 「じゃあ、こっちはどうじゃ!白のワンピース…………」 「そっ、それぐらいならまだ…………」 「っと見せかけて、後ろからだとビキニ紐とTバックしか見えないセクシーダイナマイツ!!」 「キャー!無理無理無理無理。そんなHな水着、絶対着れません」 「もったいない!これ着たらプールの男の視線は独り占めだと思うんだけどな──!」 「着ません!しません!思いません! 変な妄想しないで下さい……っていうか、今日は佐天さんの水着を買いに来たんでしょ!」 「まっ、そうなんだけどさ。初春に似合うやつを見つけちゃったから…………ついね」 「似合いませんから!着ませんから!!お願いですから、私で遊ばないで下さい!」 「ははっ、ごめん、ごめん」 「も──っ!佐天さんたら!知りません」 その時キャピキャピとはしゃぐ二人の女子中学生の横を一人の男子高校生が通り過ぎた。 周囲をチラ見しながら歩く姿は場所が場所だけに不審人物に見えなくもない。 その人物に気付いた初春飾利はその高校生に声を掛けた。 「あれっ?ひょっとして…………上条さんじゃないですか?」 そう呼びかけられた高校生、上条当麻はビクッと肩を震わせる。 実は今、上条はできたてホヤホヤの記憶喪失患者だったりする。 夏休み突入と同時に遭遇したとある事件のせいで、7月28日以前の自分がどんな人物で どんな生活をしていたのかというエピソード記憶を綺麗サッパリ失っていた。 しかも故あってそのことを隠し通す必要があり、ここ2日は無くした記憶を補うために、 知識として残っている名称や風景を頼りに学園都市中を歩き回っていたのだ。 ここがセブンスミストという店であることは知っている。 少し前ここで大きな爆発騒ぎがあったのも知っている。 しかしそれが実際に体験した知識なのか、それともニュースで見た知識なのかが判らない。 だから自分の知識と一致する風景が無いものかと確認して廻っていたのだ。 まさかこんな所で上条当麻の知り合いに会うとは思わなかった上条は恐る恐る振り返る。 そこには頭にたくさんの花飾りを付けた女子中学生がいた。 上条にはその少女の記憶はないが、どうやらその少女は上条当麻を知っているようだ。 にこやかな顔で話しかけてくる。 「上条さん。今日も妹さんとお買い物ですか?」 その問いかけに上条当麻は一瞬身を固くする。 (確か上条当麻に妹はいないはず…………どういうことだ?) 上条当麻は思考をフル回転させ、最も当たり障りのない返事を捻りだす。 「いや。上条さんだって一人で買い物に来ることぐらいあるんですよ」 「そりゃー、そうですねーっ」 「ねえ、ねえ、初春。この人誰?」 「この人は上条さんといって、私がグラビトン事件で御坂さんに助けてもらった時にその 場に一緒にいた人なんです」 「へーっ、そうなんですか。そうだ! じゃあその時どうやって御坂さんは爆弾から上条さん達を護ったんですか? 初春ったらその時目を瞑っててなんにも見てないって言うんですよ」 「えっ?(まずい、そんなことがあったのか…………)えーっと…………ゴメン。 実は俺も目を瞑っててよく憶えてないんだ」 「そうなんですか?残念」 「じゃあ、俺ちょっと急ぐから、それじゃあ。初春さんに…………えっーと」 「佐天涙子です」 「佐天さんも。それじゃまた」 そういって上条当麻はその場を逃げるように去っていった。 「なぁんか、ちょっと挙動不審なんだよねぇ」 「でも、ちょっとカッコ良さげな人だと思いません?」 「え──っ!?初春はあんなのが好みなの? どっからどう見ても普通でしょ。まあ中の上ってところね」 「あんなの…………って、佐天さん。見る目が厳しいんですね」 「そりゃそうよ。だって私の理想は一一一(ひとついはじめ)だもん!」 「とある少女の幸せ計画(ハピネスプラン)その2」 7月31日17:05 第6学区繁華街路上 「あ────っ!それ、あたしのバッグ!! 待てぇぇぇ!こンのひったくり野郎! これでも喰らえぇぇぇぇぇぇぇえええええ!!」 初春飾利と街を歩いていた佐天涙子は自動販売機からジュースを取り出そうとした隙に 肩に掛けていたバッグをひったくられてしまった。 気が付けば取り出したばかりの缶ジュースをひったくり犯めがけて投げつけていた。 缶ジュースの打撃力は予想外に高く、結果的にひったくり犯は盛大にすっ転んでいた。 幸運なことに通りがかった警備員(アンチスキル)がその場でひったくり犯を拘束し、 バッグも無事佐天涙子の元に戻ってきた。 こうしてひったくり事件はわずか20秒で無事に解決した。不幸な高校生のうめき声を残して。 「痛ぅ────────っ!」 「あのーっ、大丈夫ですか?後頭部に思いっきりコブできてますよ」 「まだちょっとズキズキするけど。まあ、なんとか」 「でも驚いたーっ。 あいつに投げた缶ジュースが外れた時、あたし悔しくて思わず『うがぁぁぁ!』って 叫んじゃったんですよ。 それに、それがひったくり犯の先を歩いていた人をノックアウトしちゃうし………… しかも、その人が上条さんだったなんて…………ビックリしちゃいましたよ。 でも倒れた上条さんにつまずいてひったくり犯が転んじゃった時は思わず笑っちゃいまいした。 まるでコントじゃないですか。大笑いですよね」 「あのーっ、佐天さん。 笑ってないで、まずは上条さんに謝った方がいいんじゃないですか?」 「ご、ごめんなさい。つい、はしゃいじゃって。 それに、すみませんでした。缶ジュースぶつけちゃって…………」 「もういいよ。ワザとじゃないんだし」 「…………えっ?怒んないんですか?」 「なんで?悪いのは佐天さんからバッグを引ったくった犯人だろ」 「そりゃあ、まあ、そうなんでしょうけど…………」 「結果としてみんなが幸せになったんだから、何の問題もねえじゃねえか」 (でも上条さんだけ不幸になってる気がするんですけど…………気付いてないのかな?) 「で、どうする?コイツは」 そういって上条は地面に転がっていた缶ジュースを拾い上げた。 「どうぞ、上条さんが飲んじゃって下さい。たんこぶ作っちゃったお詫びです」 「サンキュー。(でもコイツは炭酸系だから今開けるのはマズイよな)」 「(???)どうしたんですか?」 「いやなに、今ここで缶を開けて炭酸を顔に浴びるなんてお約束なネタを繰りだすほど 上条さんはバカじゃないってことですよ」 「あっ!ごめんなさい。新しいのを買ってきます」 「冗談だよ。コイツは下宿に帰ってから飲ませてもらうさ。ありがとな」 そういって右手に持った缶ジュースを目の前に持ち上げた途端、ボシュッと飲み口から 盛大に炭酸が噴き出し不幸にも上条の顔は一瞬で泡まみれになった。 どうやら先ほど地面に叩き付けられた衝撃で缶に亀裂が入っていたようだ。 「おわっちゃあぁぁぁぁぁ!」 「だっ、大丈夫ですか?」 「ああ、濡れたのは顔だけだからな。でも良かったよ。 もう少しで佐天さんにこんな危ないもんを押しつけちまうところだった」 「いえ、そんな………… (この人どうしてこんなに優しいんだろう? 他人の代わりに辛い目に遭ってるのに…………どうして笑顔でいられるんだろう? あたしは…………とても真似できないや)」 「とある少女の幸せ計画(ハピネスプラン)その3」 8月2日17:40 第7学区とあるスーパーマーケット その日、上条がスーパーマーケットでふと見かけた白梅の髪飾りを付けた少女につい声を 掛けてしまったのは特に理由があったからではない。 あえて言うなら、上条当麻のことを知らないこの少女は今の上条が安心して話ができる数 少ない人物だったからだろう。 「よっ!確か…………佐天さんだっけ」 「あっ、上条さん。こんちは」 「今日は初春さんと一緒じゃないのかい?」 「初春のヤツ、昨日の風紀委員(ジャッジメント)の仕事がきつかったみたいで、今日は ちょっと寝込んじゃってるんですよ。だから今日はあたしが夕飯をつくってあげるんです」 「へーっ、それで買い出しに来たのか?佐天さんは優しいんだな」 「いえ、そんなことありませんよ。 初春のヤツってなんか放っておけないキャラじゃないですか。護ってやりたい的な………… おっと、いけない。もうこんな時間。 じゃあ初春がお腹空かせてると思うのでお先に失礼します」 「ああ。気を付けてな」 スーパーマーケットを出た佐天涙子は通りに設置された大時計を見上げる。 時刻は17:45。見上げる夏空はまだ抜けるように青かった。 (初春のやつ、きっと今頃お腹空かせてるだろうな。 初春ん家まで10分、食事の準備に20分。初春!あと30分辛抱するんだぞ! あたし特製の海鮮雑炊食べさせてあげるからね。 今日はあたしが初春の世話をしてあげるからね。ドドーンとあたしに任せなさい。 身体だって拭いてあげるからね。……………………そうだ! 今日は絶好のチャンスかも……………………ふふふっ、 この前は停電のせいで仕損ねたけど、今日こそはあん時のセクハラの続きを………… あたしのくすぐりにどこまで耐えられるかな?う・い・は・る!?) 山賊のような笑みを浮かべ拳を握りしめるセクハラ女子中学生は少し注意力が散漫だった のだろう。 前から歩いてきた通行人とぶつかってしまった。 そして現実に戻った途端、佐天涙子は激しく後悔することになった。 最悪なことに相手はどこから見てもヤンキーにしか見えない高校生だった。 「てめえ!なにぶつかってんだよ!」 「ご、ごめんなさい」 「ごめんで済んだら警備員も風紀委員もいらねえんだよ!どう落とし前つけんだ!てめえ」 「本当にごめんなさい」 「口じゃどうとでも言えんだよ! ガキだからって『ごめん』で許して貰えると思ってんじゃねえだろうな! ちょっとこっちに来な!誠意の見せ方ってヤツを教えてやっからよ!」 「えっ、えっ!?」 不良にまくし立てられ、ただ身をすくめていた佐天涙子であったが、不良に手を掴まれ 路地に連れ込まれそうになりようやくわずかな抵抗をみせた。 しかし不良に掴まれた手にビリッと電気が走ったかと思うと佐天涙子の身体を激痛が駆け抜ける。 「かはっ!くうぅぅぅぅ」 肺の中の空気を吐き出し苦悶に顔をゆがめる佐天涙子を見て不良はニヤリと口元に下卑た 笑みを浮かべる。 そして佐天涙子の耳元に顔を近づけてニヤけた声で囁く。 「く、く、くっ、こう見えても俺はレベル2の発電能力者なんだぜ。 今みたいに痛い目にあいたくなきゃ、おとなしく付いて来な!」 このまま路地裏に連れ込まれてしまったら何をされるかわかったものではない。 お金を取られるだけならまだ幸せかもしれない。もっと酷い目に遭うかもしれない。 そう思った途端、佐天涙子の身体を恐怖が蹂躙する。 手をふりほどいて逃げ出したいのにガクガクと震えだした身体は言うことを聞いてくれない。 小刻みに首を横に振り抵抗の素振りをみせるものの女子中学生が男子高校生の力に抗える はずもなく、薄暗い路地がどんどん近づいてくる。 (ヤダ…………ヤダヤダヤダ…………こんなの嫌ぁぁぁああああ) 恐怖に顔を引きつらせ叫び声さえあげられなくなった佐天涙子は必死に祈る。 (助けて助けて助けて助けて…………お願い。神様!!) いくら必死に祈ったところで神様が助けてくれるはずはない。 事実、路地に連れ込まれる瞬間まで必死に祈り続けた佐天涙子に神様は来てくれなかった。 そう、絶望した佐天涙子に救いの手を差し伸べたのは神様ではなかった。 佐天涙子の手首を掴んでいた不良の手を引き剥がしたのは一人の男子高校生だった。 佐天涙子からは後ろ姿しか見えないはずなのに、それが誰なのか一瞬で判ってしまった。 そして無意識のうちに思い浮かんだ名前を呼んでいた。 「とある少女の幸せ計画(ハピネスプラン)その4」 「上条さん!!」 「お前、中学生相手にみっともねえ真似するんじゃねえよ」 「なんだ、テメエは?でしゃばんじゃねえ!俺はレベル2だぞ」 「そうかい?俺はレベル0だよ。っで、それがどうした!?」 「能力もねえくせにカッコつけると痛い目みるって言ってんだ!このレベル0がぁ!」 「気を付けて!そいつ発電能力…………」 佐天涙子が警告するより早く、不良は自分の手を掴んだ上条の右手に電撃をみまっていた。 いや、みまおうとした。それなのに1Vの電位も生じなかったことが不良を困惑させた。 キツネにつままれたような顔の不良に上条の言葉が追い打ちをかける。 「どうした?俺に痛い目をみせるんじゃねえのか?」 「うっ(なっ、なんだこいつ?レベル0って言ってたくせに。まさかホントは上位能力者なんじゃ?)」 「もうお終いか?じゃあ今度は俺の番だよな!?」 「えっ?(コイツ、ひょっとして俺なんかが手出ししちゃいけない相手だったんじゃ…………)」 「覚悟はいいな!?」 「ヒィィィッ!(ヤバイ。逃げなきゃ、絶対殺される)す、すんません。ひゃあぁぁーっ」 恐怖に駆られた不良はあられもない声を上げて路地奥へ転がるように逃げだした。 不良の姿が見えなくなり上条が振り返った時、佐天涙子は地面にペタンと座り込んでいた。 「大丈夫か?」 「いえ、そのーっ、ホッとしたら腰が抜けちゃって。あはっ、あははっ」 佐天涙子は自分の右手で頭を小突きつつおどけてみせるが、どれほど怖かったのかは上条 にも容易に想像できた。 「どう?佐天さん、立てそうかい?」 「まだ、ちょっと…………無理みたいです。ごめんなさい」 「そっか。じゃあ」 そう言って上条は佐天涙子の目の前にドカッとあぐらをかいて座り込んだ。 佐天涙子は上条がなぜそんなことするのかが判らずに目をパチクリさせる。 「どっ、どうしたんです?上条さん」 「なあに俺も少し疲れたから、ちょっと座って休憩しようかなってね」 「えっ?」 「丁度さっき買った缶ジュースにクッキーもあるからな。佐天さんもどう? まあ、俺みたいなのが傍にいちゃ迷惑かもしれないけど」 「そ、そんなことありません。 (さりげなく私を気遣ってくれてるんだよね。これってやっぱり。 こういうのってなんか……………………いいな)」 そうして上条と佐天涙子は歩道でささやかなお茶会を始めた。 たわいもない話をしているだけなのに佐天涙子にはとても楽しく思えた。 そんな佐天涙子がふと通りの大時計を見上げると時刻はもう18:30になっていた。 「やばーっ!もうこんな時間!」 佐天涙子がそう叫んで立ち上がるのを見て上条は微笑むとゆっくり立ち上がった。 「どうやら、もう大丈夫みたいだな」 「えっ?」 「脚だよ。脚」 そして佐天涙子は改めて気付く。怖い目に遭って腰が抜けてしまった自分のために上条が わざわざ付き合ってくれたこと、気分転換のためにジュースとクッキーをくれたこと、 そして自分が落ち着くまで話相手になってくれたことに。 「はい!もうすっかり元通りです。ご心配をお掛けしました」 「いいよ、別に。大した事じゃねえからさ。 それより急がないと!初春さんが下宿で待ってるんだろ」 「あっ、そうでした。ではお先に失礼します」 佐天涙子はペコリと頭を下げると駆けだしていった。 「今度は気をつけて帰るんだぞ!」 「はぁ────い!わかりましたぁ────っ!」 上条の声に振り返ると佐天涙子は大きく右手を振って答えた。 8月2日18:45 初春飾利の下宿 「佐天さん。遅いじゃないですか!私もうお腹ペコペコです」 「ゴメンゴメン。ちょっと色々あってさ。ところでさあ、初春」 「なんですか?」 「この前会った上条さんって…………ちょっとカッコ良かったよね」 「え──っ!?佐天さんこの前はそんなこと言ってませんよ」 「えっ?そうだっけ!?」 8月2日23:10 佐天涙子の下宿 潜り込んだ布団の中で佐天涙子は今日あった出来事を思い出していた。 (ちょっと怖い目にも遭ったけど、今日は良い日だったかもね。 明日も良いことがあるといいな。 さあもう寝よっと。おやすみなさい……………………上条さん…………) 無意識のうちに呟いていた名前に気付いた瞬間、佐天涙子は布団の中で顔を真っ赤にする。 しかし次の瞬間、佐天涙子は赤かった顔を今度は真っ青にして跳び起きた。 (ひょっとして、あたし…………上条さんに一言もお礼を言ってないんじゃ………… ど、どうしよう?)」 続く
https://w.atwiki.jp/kinsho_second/pages/2704.html
24スレ目ログ ____ ________________ 24-013 幻影(23-724) とある二人は反逆者 9 第3章 ②本質が呼ぶ戦いと残された謎 24-023 幻影(23-724) とある二人は反逆者 10 第3章 ③入院とこれから… 24-034 piVSbPnx0(24-033) おめでとうを永遠に 24-042 幻影(23-724) とある二人は反逆者 11 第4章 ①大覇星祭開幕 24-049 くまのこ(17-598) レベル5について調査するだけの簡単なお仕事です 24-058 幻影(23-724) とある二人は反逆者 12 第4章 ②未来を見据えて 24-066 幻影(23-724) とある二人は反逆者 13 第4章 ③大覇星祭を終えて 24-088 コスモス(22-047) アレイスターの思惑 24-101 幻影(23-724) とある二人は反逆者 14 第5章 ①潮風の香り 24-104 幻影(23-724) とある二人は反逆者 15 第5章 ②恋と少女と生き方 24-108 幻影(23-724) とある二人は反逆者 16 第5章 ③神の右席 24-129 風花(19-114) みこにゃんの日常 はちっ! 2年前の… 24-139 さわわ(22-733) 決め手は隠し味 24-171 くまのこ(17-598) 小ネタ 無自覚なフラグ建築とそれに翻弄されるツンデレ 24-180 トワノハテ(23-319) 手を繋いで 24-197 さわわ(22-733) 小ネタ 誰も見ていなかった 24-209 幻影(23-724) とある二人は反逆者 17 第6章 ①衣替えの季節 24-214 幻影(23-724) とある二人は反逆者 18 第6章 ②ヒーローの敗北 24-246 幻影(23-724) とある二人は反逆者 19 第二部 序章 24-254 トワノハテ(23-319) とあるファミレスのバカップル 5 24-262 はりねずみ(23-141) 上条家の日常 1 思わぬ客人 24-275 幻影(23-724) とある二人は反逆者 20 第二部 第1章 ①魔術師の誘い 24-279 幻影(23-724) とある二人は反逆者 21 第二部 第1章 ②一端覧祭を終えて 24-280 幻影(23-724) とある二人は反逆者 22 第二部 第1章 ③幸せとは… 24-294 くまのこ(17-598) 御坂美琴のとある休日 24-300 幻影(23-724) とある二人は反逆者 23 第二部 第2章 ①これから先の目的 24-301 幻影(23-724) とある二人は反逆者 24 第二部 第2章 ②英国三派閥との接触 24-305 幻影(23-724) とある二人は反逆者 25 第二部 第2章 ③裏切り者 24-340 はりねずみ(23-141) ドキドキデート 美琴編 24-346 コスモス(22-047) アレイスターの思惑・続! 24-373 はりねずみ(23-141) ドキドキデート 上条編 24-383 風花(19-114) みこにゃんの日常 きゅうっ! 定期検診っ! 24-394 はりねずみ(23-141) とあるベランダの超電磁砲 1 第一章 ベランダの少女~rail gun~ 24-401 トワノハテ(23-319) とあるファミレスのバカップル 6 24-425 はりねずみ(23-141) とあるベランダの超電磁砲 2 第二章 明確なる敵~melt downer~ 24-434 はりねずみ(23-141) とあるベランダの超電磁砲 3 第三章 つかの間の休息~teacher~ 24-442 トワノハテ(23-319) とあるファミレスのバカップル 7 24-449 くまのこ(17-598) 御坂美琴改造計画 24-456 コスモス(22-047) 大学で始まる恋の予感 24-469 トワノハテ(23-319) とあるファミレスのバカップル 8 24-484 幻影(23-724) とある幼馴染の幻想殺し 1 序章 ①過去の出来事 24-485 幻影(23-724) とある幼馴染の幻想殺し 2 序章 ②激闘の終わり 24-487 幻影(23-724) とある幼馴染の幻想殺し 3 序章 ③罪と不幸 24-489 幻影(23-724) とある幼馴染の幻想殺し 4 序章 ④再会 24-491 幻影(23-724) とある幼馴染の幻想殺し 5 序章 ⑤同棲開始 24-494 幻影(23-724) とある幼馴染の幻想殺し 6 第1章 ①虚空爆破事件 24-509 はりねずみ(23-141) とあるベランダの超電磁砲 4 第四章 心の拠り所~imagine breaker~ 24-525 くまのこ(17-598) こぼれ話 4 超電目録こぼれ話 絶対能力進化実験 後編 24-537 はりねずみ(23-141) とあるベランダの超電磁砲 5 第五章 壊れかけた何か~sisters~ 24-542 masa(24-539) (改訂前)とある科学の執行部員 1 世界観 24-543 masa(24-539) (改訂前)とある科学の執行部員 2 第1章(1) 24-552 masa(24-539) (改訂前)とある科学の執行部員 3 第1章(2) 24-560 masa(24-539) (改訂前)とある科学の執行部員 4 第1章(3) 24-569 masa(24-539) (改訂前)とある科学の執行部員 5 第2章(1) 24-572 masa(24-539) (改訂前)とある科学の執行部員 6 第2章(2) 24-581 masa(24-539) (改訂前)とある科学の執行部員 7 第2章(3) 24-587 masa(24-539) (改訂前)とある科学の執行部員 8 第3章(1) 24-597 はりねずみ(23-141) 小ネタ 美琴の八百変化 24-601 masa(24-539) とある科学の執行部員 1 世界観 24-602 masa(24-539) とある科学の執行部員 2 第1章(1) 24-609 masa(24-539) とある科学の執行部員 3 第1章(2) 24-614 くまのこ(17-598) こぼれ話 5 超電目録こぼれ話 絶対能力進化実験 未公開シーン 24-621 紅蓮(24-620) 上条さんとミコっちゃんが超電磁砲S第一話見ました 24-637 masa(24-539) とある科学の執行部員 4 第2章(1) 24-640 masa(24-539) とある科学の執行部員 5 第2章(2) 24-649 はりねずみ(23-141) とあるベランダの超電磁砲 6 第六章 全ての真実~radio noise~ 24-655 はりねずみ(23-141) とあるベランダの超電磁砲 7 行間 24-658 くまのこ(偽)(24-657) 超電目録こぼれ話 絶対能力進化実験 アンソロジー 24-670 はりねずみ(23-141) とあるベランダの超電磁砲 8 第七章 微かな希望~hope in hand~ 24-676 masa(24-539) とある科学の執行部員 6 第3章(1) 24-686 masa(24-539) とある科学の執行部員 7 第3章(2) 24-695 masa(24-539) とある科学の執行部員 8 第4章(1) 24-698 masa(24-539) とある科学の執行部員 9 第4章(2) 24-700 masa(24-539) とある科学の執行部員 10 第4章(3) 24-711 はりねずみ(23-141) とあるベランダの超電磁砲 9 第八章 悪夢殺し~imagine breaker~ 24-721 コスモス(22-047) いちゃいちゃバカップル予備軍誕生!? 24-725 くまのこ(17-598) こぼれ話 6 超電目録こぼれ話 鉄橋は恋の合図編 24-737 ナナ氏(20-146) (無題)5 24-747 はりねずみ(23-141) とあるベランダの超電磁砲 10 終章 始まりを告げる音~go to future~ 24-755 くまのこ(17-598) 抱き枕を抱くときは、部屋を暗くしてできるだけ人から離れて抱いてね 24-761 はりねずみ(23-141) とあるベランダの超電磁砲 11 後日談 24-778 はりねずみ(23-141) 小ネタ 傘 24-785 コスモス(22-047) 小ネタ のどかにのんびり 24-790 くまのこ(17-598) レベル5が立案した完璧な計画 24-796 はりねずみ(23-141) 小ネタ 夫婦 24-802 くまのこ(偽)(24-657) 上条美琴の禁書目録こぼれ話アンソロジー 24-827 はりねずみ(23-141) 16巻if ~あの時あの手を掴めたら~ 24-837 ツキサカ(15-321) 消えゆくあいつの背中を追って 2 24-854 ・・・(22-517) 被害者 2 白井 24-859 はりねずみ(23-141) 小ネタ クレーンゲーム 24-868 さわわ(22-733) 部屋訪問 24-876 くまのこ(17-598) 終章その後 先に辿り着いた者は 24-886 くまのこ(17-598) 小ネタ わたしのパパとママ 24-893 はりねずみ(23-141) 小ネタ お勉強の時間ですよ上条ちゃん! 24-897 我道 ◆XksB4AwhxU(24-896) 御坂美琴の消失 1 第1章 24-916 我道 ◆XksB4AwhxU(24-896) 御坂美琴の消失 2 第2章 24-932 コスモス(22-047) 小ネタ His uneasiness 24-937 風花(19-114) みこにゃんの日常 じゅうっ! ショッピング? 24-942 我道 ◆XksB4AwhxU(24-896) 御坂美琴の消失 3 第3章 24-955 はりねずみ(23-141) 小ネタ 時が過ぎて変わるもの 24-961 くまのこ(17-598) 好きなパターンを選んでみよう 24-970 我道 ◆XksB4AwhxU(24-896) 御坂美琴の消失 4 第4章 24-980 我道 ◆XksB4AwhxU(24-896) 御坂美琴の消失 5 第5章 24-993 はりねずみ(23-141) 白き大地での戦い 1 ▲
https://w.atwiki.jp/kinsho_second/pages/1412.html
前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある男の本気告白 第5話「決戦前夜」 気づけば、美琴は寮のベッドの上にいた。 頭の中がぐちゃぐちゃでどこをどうやって帰って来たのかも覚えていない。 頭の中で再生されるのは、妹の左手の薬指にあった指輪とそのときの妹の幸せそうな顔。 (なんで、私じゃないの…) 何度目になるのかも分からない疑問が胸を締め付ける。 なんで、私じゃないのか――― なんで、妹なのか――― なんで、なんで、なんで―――!!! なんで―――なんて… 「…決まっているじゃない。会えばいつもビリビリして、怒鳴って、怒って、追いかけ回して…。そんな子のことをアイツが好きになってくれるわけないよね…。」 涙が溢れそうだった。 でも、泣くわけにはいかない。 (せっかく妹が、幸せを掴んだんだから、私が祝福してあげないと…私はあの子の「姉」なんだから! 明日からは今までの『御坂美琴』に戻ろう。『学園都市第3位』で『常盤台中学校のエース』としての『御坂美琴』に。) そう誓ったのに、まだ涙は消えない。 まるで、美琴自身の未練や嫉妬が消えないように。 私、明日から笑えるよね。と不安に思いつつ失笑し、気を失うように美琴は眠り込んだ。 そのころ上条はファミレスで女子3人に囲まれていた。 青髪ピアスあたりであれば絶叫して喜びそうな状況だが、上条の顔色は悪い。 というか、病人の顔色に近い。真っ青になり今にも気絶しそうだ。 今までいくつもの戦場を渡り歩き(本人の意思とは関係無く)、首謀者の企みを右手1本で打ち消して来た人とは思えない。 しかし、そのような状況になってもしかたがないというか男なら同情するだろう。 なぜなら、同席している他の3人が鬼も逃げ出さんばかりの表情をしているからだ。 正面左側では佐天は普段の活発な印象が消え、獲物を前にした肉食動物のような表情をしているし、正面右側では初春は笑顔のままでこそあるが、あたりに放つ威圧感が半端無い。 そして、正面にいる黒子はというとすでに指の間に銀の針を構えた状態で、気炎を吐きながら座っている。 (不幸だ…) 上条はそう思った。 「さて、上条さん」 口火を切ったのは初春だった。 ここから上条の本当の地獄が始まる。 「…なんでせうか?」 「はっきり聞きます。御坂さんに何かしましたか?」 いきなり核心をつかれ、上条は焦る。 説明するのは簡単だが、そうなると妹のことも説明しないといけなくなる。 美琴の友達とはいえ、あんな血なまぐさいことを説明するのは気が引けるうえに、美琴の思いとも反することになる。 そう思い、どう説明するかと上条が考えていると 「上条さん、何で御坂さんは走って、しかも泣きそうになりながらお店を飛び出していったんですか?」 佐天の表情からは純粋に美琴を心配していることが伝わって来る。 他の2人の表情からもそのことが伝わって来る。 上条は店内であったことを全て話した。 しかし、妹の事を伏せて。 「なるほど、御坂さんの勘違いですか…」 「まぁ、結論としてはそうなるけど…」 「…」 3人とも分かってくれたみたいで上条はホッとした。 しかし、『理解』と『納得』は異なる。 「でも…」 佐天が言葉を続けようとしたとき――― 「お姉様を泣かせた罪は万死に値しますのーーー!!!」 今まで黙って話を聞いていた黒子が突然叫んだ。 「この類人猿がっ!!お姉様を泣かせるなんて例え地球が反対に回転しだしたとしても行ってはならない行為!!しかも、その理由が他の女性とイチャイチャしていたからとは!!類人猿ではなくただの猿でしたのねっ!!!まったく最低ですわっ!!!」 言うだけ言ったあと、黒子は席を立ち 「寮に戻ってお姉様の様子を見てきますのっ。」 とテレポートをして消えた。 上条は寮のベッドの上で寝転びながら、今日の出来事を振り返っていた。 あの後すぐ、残された佐天と初春はこれ以上話すことはないと感じたのか、席を立った。 初春は去り際に 「御坂さんに連絡してみたらどうでしょうか?」 と言っていたが、どの面して連絡なんかするんだ。と思い、上条は連絡していなかった。 気づけば、21 30になろうとしていた。 「はぁ…」 ため息をつく。誰かが『ため息1つで幸せが1つ逃げていく』と言っていたが、ため息もつきたくなる心境もあるだろうと1人思う。 (アイツとはなんもねぇんだって!!俺が好きなのはお前だよ!!なんて言えたら、美琴の奴なんて思うかな?) 怒られるかもしれない、フラれるかもしれない。 だが、今までの関係が今日の出来事で崩れてしまうのは嫌だった。 (でも…) ネガティブな考えが頭をよぎる。 思考のループに入りそうになったときだった。 『アイツは関係ない!!俺が好きなのはお前だけなんだ!!』 誰もいないはずの部屋から自分の考えていたことが声になって聞こえた。 焦った上条が発生源を探すとテレビがついていて、普段なら見ないドラマが映し出されていた。 『そんなの信用出来ないっ!鋼手の周りには女の子いっぱいいるし。』 『明日、21:00に駅前のイルミネーションの前まで来て欲しい。俺はずっと美琴のこと待ってるから。』 何故か目が離せなくなった。 そして思いついた。 美琴に謝る方法を、自分の気持ちを伝える方法を。 ケータイを取り、上条はメールを打つ。 アドレスはもちろん『御坂美琴』宛て。 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある男の本気告白
https://w.atwiki.jp/index-ss/pages/1023.html
【初出】 禁書SS自作スレ>>365-369 みんなに紹介するから、と言って歩き出した言祝の後ろを、上条とサーシャは頭が回ってない状態のままついていく。軽く校内を案内するつもりもあるようで、言祝は何かある毎に立ち止まってサーシャに話しかけていた。その間、他校の制服を着た金髪美少女であるサーシャは少々どころかかなり目立ったが、横に上条がいるとわかると一転、「まあ上条だしな」という空気ができ追求されることはなかった。同学年だけでなく上級生まで同じ反応を示したのは、きっと年代の壁を越えて一致団結していることの証しだろう。幸か不幸か教師の誰かと鉢合わせすることもなく、三人は無事にある教室の前にたどり着いた。 「――って、一年七組(おれたち)の教室じゃねーか」 「そ。やっぱり持つべきものは身近な友達よねー。みんな快く承知してくれたのですよ」 「……、」 つまり被害は身内に限定されていたということか。安心すべきなのかどうなのか、上条は判断に迷う。 「でもさー言祝。今さらだけど、本気でサーシャにシンデレラやらせるつもりなのか? ウチの生徒でもない人間が主役を張るのはまずいと思うんだけど」 「何とでもなるって」 「どこから来るんだその自信! いくら監督でも出来ることと出来ないことがあるでしょーが! そしてサーシャ! お前がなんにも言わないから勝手にどんどこ話が進んでんだぞ!? いいのかそんな流されるままの人生で!」 上条は一歩下がった場所でぼーっとしている赤シスターを怒鳴りつけた。 手提げをぶらぶらさせていたサーシャはほんの少し考えるそぶりを見せ、 「確認一。私はトーマたちの演劇に役者として勧誘されていると判断してよいか」 「そうだけども、それは中庭にいるときに言っておくべきだった台詞だぞ」 なら、とサーシャは言祝の方を向いて、 「私見一。興味はある。私にできることであるなら参加してみたい」 「な――」 「そーこなくちゃ! 簡単ではないかもしれないけど、あなたなら大丈夫! 私に任せてくれれば一週間で素敵なお姫様にしてあげるわ!」 何故、という言葉は興奮した言祝の叫びにかき消されてしまったのだけど―― (『灰姫症候(シンデレラシンドローム)』のことはどーなるんだ?) 上条は思う。 『灰姫症候』 人から人へさまよう魔術、『零時迷子(ヌーンインデペンデンス)』を元に組み立てられたらしい新種の術式。 本来なら数回の移動でイメージが保てなくなり崩壊するはずの『零時迷子』を、誰もが知っている“とある物語”を媒介にすることで半永続化させたものらしい。 誰が、何の目的で作った魔術かはわからない。しかし問題なのは、それが今も学園都市の誰かの中に存在するということだ。 しかも魔術師の手に渡ってしまえば、容易に伝染病のような効果に変更して再放流することができるという。 そのような事態を未然に防ぐために、そして原因を究明するためにロシア成教とイギリス清教の両方から勅命を受けてやってきたのが彼女、サーシャ=クロイツェフである…………はずなのだが。 (これじゃあ、本当にただの学生活動じゃねーか) だんだん不安になってくる苦労人上条である。 それに気づいたのか、赤シスターは熱く語り続ける言祝から離れ、背伸びをして上条の耳元に口を寄せた。 「(説明一。問題はない。これは全て『灰姫症候』捜索のために必要なこと)」 「(はい? そう言われましても無学な上条さんにはアナタが学校生活をエンジョイしようとしているとしか見えないのですが)」 「(補足一。演目が『シンデレラ』だから。演劇を通して『灰姫症候』を誘い出せる可能性がある)」 「(……どゆこと?)」 いつまでも背伸びをさせておくのは申し訳ないので中腰になる。 「(補足二。『灰姫症候』は“童話『シンデレラ』に関する知識”をイメージの基盤に置くことで、素人の中でも構成が崩れないようにしたもの。ならば“『シンデレラ』という物語のイメージを操れれば、『灰姫症候』に干渉することができるのではないか”というのがインデックスのアイデア。問題はその手段だったのだが……演劇というのは存外に最適だったかもしれない。トーマに会いに来て幸運だった)」 「(うわー生まれて初めてかもしれないそんなこと言われたの。でもさ、それだと劇を見に来た人にしか効果なくないか? 捜索範囲は学園都市全域なんだろ?)」 「(解答一。元より『灰姫症候』の捜索メンバーは私だけではない。ブラザー土御門もそうであるし、他にも数名が何らかの手段で学園都市に入っているはず。私の役割はインデックスと共に捜索することであるから、彼女の知識から導き出された計画を実行することに問題はないと思うのだが)」 上条は身を起こし腕を組む。 言っていることはわかる。わかるんだけど………… 「おーいー? そろそろ入るよー?」 ドアの取っ手に手をかけた言祝が、首だけひねって呼んでくる。サーシャは上条より先に歩き出した。 「解答二。了解した」 「おもしろいしゃべりかただねーサーシャちゃん。かみやんくんと何ひそひそ話してたの?」 「解答三。大したことではない。今日の夕食の献立について」 「なんか深く考えるすごい意味になりそうな……そう言えば『トーマ』なんて下の名前で呼んでるくらいだもんねぇ?」 「私見二。友人がそう呼んでいるのでそれに倣っているだけなのだが」 「ほほう。三角関係というわけなのですね」 微妙な塩梅(あんばい)でかみ合っていない会話を続ける天然赤シスターとお気楽腹黒監督に置いてきぼりにされそうな上条だったが、 そんなことはどうでもいいくらい、気になっていることが一つあった。 (…………自分で気づいてんのかね。さっきの説明、妙に押しが強かったぞ) 上条は小さく“笑う”。 詰まる所、シンデレラ劇が『灰姫症候』の捜索に好都合だったとしても、実際に参加してまでどうこうするほどのものでもないはずだ。練習という手間暇、共演者という重荷、そんなものをわざわざ抱え込むメリットなんてない。 ないはずだ――魔術師には。 上条は思う。 拷問道具標準装備で、表情が読みづらい彼女だけど、好きなものややりたいことだってきっとあるのだろう。 比較的年齢の近い集団に飛び込んだことがきっかけで、そういった欲求が顔をだしたとしても不思議はない。 しかもそれがシンデレラをやってみたいってことだなんて――なんとも可愛らしいわがままじゃないか。 (ま、ちょっとは仕事の選り好みしたって罰は当たんねぇだろ。不都合が出るなら、その分は土御門にでも回しゃいい。一端覧祭は学生が楽しむためのイベントですってな。せっかく制服を着てるんだから、サーシャも楽しめばいいんだ) うんうん、とまるで父親か教師みたいに妙に嬉しい気持ちで微笑する上条当麻。 ――――――――――――――――――――――――その微笑が凍りつくまで0,5秒。 「「………………………………………………………………(怒)」」 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ。 言祝が開けたドアの向こう。スタンド使いも真っ青な闘気を無差別に撒き散らしている吹寄制理(おうじさま)と姫神秋沙(まほうつかい)がいらっしゃいました。 ◇ ◇ さて、三分後。 問答無用、とばかりに上条当麻は教室の中央に正座させられていた。その周りを五人の人間が囲んでいる。完全包囲というやつだった。 上条はおそるおそる口を開く。 「…………あの。客観的に常識的に考えてワタクシめも被害者の一人であるというのにこの扱いはなんなのでせう?」 「黙りなさい上条当麻。全ての責任が貴様にあることは明らかよだからそのまま日が暮れるまで反省していること」 一人目。吹寄制理が恐ろしく冷たく言い切った。教卓に立ち、まるで裁判官のように上条を見下ろしている。開廷直後に下された実刑判決に「被告人」上条は猛反発した。 「だって! 演劇の役者が足りなくなったのもそれで吹寄たちが強引に引っ張りこまれたのも俺のせいじゃねーでしょ!? こうなったら腹をくくってみんなでオスカー目指そうぜ!」 「とても良い言葉なのだけど。君は大きな勘違いをしている」 上条から見て左、のんびりした声に少量の怒気を含ませているのは二人目、姫神秋沙だった。座っている机と椅子を横向きにして上条に向けている。どうやら彼女の役割は「判事」らしい。 「どゆこった? 姫神」 「私達は。演劇をすることに不満があるわけではない。というか。むしろそれ自体は望むところ」 大覇星祭の時の負傷から完全回復したばかりの黒髪の巫女さんは、かねてからの憧れであった「魔法使い」にたとえ劇の役だとしてもなれることを喜んでいるようだった。 教卓の吹寄はちょっぴり口を尖らせて、 「……私はそうでもないんだけど。栞がどうしてもって言うから仕方なく」 「そやねー。吹寄さんは優しいお人やもんねー。でもボク思うんやけど、やっぱ吹寄やったら王子様より継母の方が性格的にぐばっ!?」 姫神の隣にいる三人目が超高速で投擲されたチョークを眉間に喰らい悲鳴を上げる。「判事側の証人」青髪ピアスは奈良の大仏みたいになったおでこをさすった。 「被告人」は何がなんだかさっぱりだ。 「あのさー。本気でわかんないんだけど、結局お前らは何で怒ってるわけ?」 「んーとやねー。手っ取り早く言うと」 青髪ピアスが手を挙げ、吹寄と姫神もそれに続き、三人で同じ一点を指差す。 異口同音に告げる言葉は、 「「「その子誰(やねん)ってこと」」」 彼らの示した先、上条から見て右方にいるのは、 「………………、」 何故自分が注目されているのか全くわかってない様子の「弁護士」サーシャ・クロイツェフだった。 その隣には「弁護士側の証人」言祝栞がニマニマしながら座っている。 あー、と上条は右手で顔を覆い、 「えーとこの人はですね、俺の知り合いの子で、たまたまウチの学校に見学に来てたところを言祝がスカウトしちまって」 「知り合いと認めたね。そうなるまでにどのような経緯があったのやら。裁判長。被告に無期懲役を求刑します」 「といいますかカミやん。ボクのいないところでロリ金髪しかも工具常備の大工さん属性持ち美少女とお知り合いになってるってどういうこと!? 裁判長! 無期懲役なんて甘っちょろいこと言っとらんとここは古式ゆかしい断頭台(ギロチン)の復活を提案いたします!!」 「妥当なところね。大道具とかけあってみましょう」 「なんだそのスピード裁判!? 判事と裁判長がグルって最悪じゃねーか! こんな司法取引も探偵パートもない裁判なんて認められません! せめて弁護側にも発言させてくださいな!」 最初は無視していたが、あまりに「被告人」がわめき続けたため、「裁判長」はいかにも渋々といった様子で、 「しょうがないわね。……サーシャ=クロイツェフさん、といったかしら。昨日も会った気がするんだけど」 「解答一。私も貴女のことは記憶している。それと、私のことはサーシャでいい」 「……どうも」 サーシャのしゃべり方に慣れないのか――あるいは性格にか――、吹寄はわずかに怯んでいた。が、すぐに真剣な顔に戻り、 「それで、肝心なことを聞くけど。――――本当に上条当麻に何もされてない?」 「おい吹寄!? それ全然関係ないだろってごっ!?」 裁判長の許可なく発言するなと言わんばかりの超速チョークが上条に炸裂し、沈黙させた。 サーシャはその様子をぼんやりと見ていたが、やがて何事もなかったかのように、 「解答二。協力は色々してもらっている。危険なことは今のところない」 「裁判長。この二人は今夜一緒に夕食を食べるそうでーす」 「言祝てめどばっ!?」 復活直後に再び撃沈。 「カーミやーん……」「上条君……」「上条……」 法廷(きょうしつ)の空気が一層凶悪なものに変わる。それはもうDIOの館くらいに。 青髪ピアスは殺意に満ちた目でにらんでくるし、姫神はなんだか嫉妬めいた瞳を向けてくるし、吹寄はそのどちらとも言えないような視線を突き刺してくる。 (うう。どうにもこうにもならん……不幸だー) 味方であったはずの「弁護士側の証人」にも裏切られ、もはや救いなしいっそこのまま楽にしてー! と叫びかけた上条当麻だったが、それを静かな声が制した。 「――提案一。この状況が私の存在によるものならば、私は演劇活動への参加表明を取り消す」 「…………え?」 突如立ち上がった「弁護士」の発言が。 呆気に取られた声を出したのは吹寄制理。しかし他の人間も彼女と全く同じ心境だった。 もちろん上条も。 「サーシャ……?」 「ちょ、ちょっと待ちなさいサーシャさ――サーシャ。あなたはそこの横暴監督とセクハラ少年に無理やり連れてこられたんじゃないの?」 せーちゃんひどーい、と口を突き出した言祝を、サーシャはちらりと見て、 「解答三。誘われたのは確か。しかし、私は自分の意思で参加を決めた。興味があったから。けれども、それが学友同士で仲違いする原因になるのなら、退くべきなのは私であると思う」 「…………う……」 吹寄が、なんとも苦い物を飲み込んだような顔になる。 それはそうだ。年下の女の子にリアルで「私のために争わないで」と言われてしまったのだから。 しかも、 「………………………………………………………………、」 口では止めると言っているサーシャの顔は、「本当はとってもとってもやりたいんです」と無言で訴えていた。そしてそれを、迷惑をかけて申し訳ないという思いで押し潰しているのまで見て取れる。 恐らく、いや確実に彼女は気づいていないだろう。自分がそんな表情をしていることを。貼り付けたような無表情を保てていると思ってるに違いない。 そして吹寄裁判長は、そんな一少女の不器用な願いを無下にできるほど非人情派ではなかった。 「あの……サーシャ? なんと言うかこれは、上条の日頃の行いのせいであって、決してあなたが悪いわけじゃないのよ?」 そうだそうだと相槌を打つ検事側。特に青髪ピアスは今にも奇声を上げてサーシャに抱きつきかねない勢いである。彼女の属性に不器用属性が加わった結果らしい。 「――だけど」 吹寄は顔を曇らせ、 「実際問題、サーシャを演劇班に迎え入れるのは難しいと思う。いくら監督のお墨付きっていっても、この学校のメインイベントの主役に他校の生徒をいきなり抜擢したら絶対に内外から反感を買うわ」 それでも冷静に物事を捉えてしまう辺り、彼女は良くも悪くも優秀な運営委員だった。 本当はこんなこと言いたくないのだろうが、役割を持つ者の責任として、吹寄は現実を突きつける。 「しかもあなたの着てる制服(それ)、近所の中学校のじゃない。ということはまだ十三か四、でしょ? 年齢(とし)も足りてないんじゃ、転入生ってゴリ押しすることもできない」 「――――だったら、新入生ならどう?」 ス、っと。 その声は豆腐に包丁を差し込むように全員の耳に入った。 視線が集まる。 声の主――「弁護士側の証人」は自信たっぷりに腕を組み足を絡め、 「この高校に進学を希望している生徒から一人、特別ゲストとして舞台に上がってもらうことにしました。選ばれた子はとても可愛らしい外国人の女の子でした。その子がシンデレラの役をやりたいと言うので、優しい先輩達は快く譲ってあげることにしました……とこういう筋書きよ。これならサーシャちゃんが堂々と主役やれる上に、ウチの高校の宣伝とイメージアップにもなる。一石二鳥なのですよ」 ニカッ、と笑った。 上条達は、戸惑うような感心するような、不思議な気持ちでその笑みを見た。 言葉も出ない。 まるで運命が配役(キャスト)を決めているかのように、不利な点さえも利用してステージを完成させていくその知略。 妥協なく、恐怖なく、目的達成のためにあらゆる手段を尽くすその度胸。 これが“監督”。 言祝栞。 「……でも。校外への言い訳はそれでいいとして。校内への対応はどうするの? 一年の独断で。そんなことしたら色々面倒なことになりそうだけど」 いち早く脳に血が流れ出したらしい姫神が尋ねた。 しかし言祝は困った様子も見せず、 「そっちのが簡単よ。というかもう終わってるし」 「終わってる。とは?」 「教室(ここ)に来る前に、私と、サーシャちゃんと、かみやんくんとで校内をあちこち練り歩いといたの。みんなならこの意味、わかるよね?」 吹寄と姫神と青髪ピアスが、あっ……となる。 そうだ。たとえどれだけ不可解なことが校内で起こったとしても、 それが可愛い女の子に関することで、 その隣に、とある少年がいたというのなら、 「「「何があったとしても上条(上条君)(カミやん)のせいにできる…………!!」」」 がばっと復活。 「待ったらんかーい!! いくらなんでもそりゃねーだろ!? とどのつまり俺を生贄に捧げてサーシャシンデレラを召喚するぜってことじゃねーか! こんな扱い俺の親父が知ったら今度こそ天使が降臨しちゃいますよ!? つーかてめーら三人さっきから息が揃いすぎなんだよ! トリオか、トリオなのか!?」 「流石ね栞。そんな巧妙な作戦思いつきもしなかったわ」 「にはは。このくらいお茶の子さいさいなのですよ」 「いやーでもやっぱりボクらの言祝監督やね」 「今年の名誉監督賞は。あなたのものに決まり」 「聞いてない! 聞いてらっしゃらない!! チョークすら飛んでこない!! これがスルーか、レールガンノミコト様の祟りなのか!? サーシャ弁護士! もうあなただけが頼り……って何を両手で胸を抱いてうっとりしてますかアナタ! そんなにシンデレラやりたかったんかい! そしてそのまま言祝達の輪の中へ行っちゃうの!? 待って、その『素敵な先輩後輩の図』に俺も混ぜてーーっ!!」 結局、上条の意見は何一つ通ることのないままその日の打ち合わせは終わり、 言祝栞から吹寄制理経由で運営委員に配役変更の旨が伝えられることになった。 「シンデレラ役 サーシャ=クロイツェフ(特別出演)」 提出された文書の最上段にはそんな文章が書かれていた。 Back Next